思考の転換

伊勢丹は東京でも力のある百貨店ですが、伊勢丹では全社的に「売り場」の事を「お買い場」と言い換えてることを最近知りました。なんで言い換えてるかというと「売り場」と言うとどうしても売る方の都合でものを考えがちになるからそれをやめよう、っていう決意らしいのです。顧客の財布を開かせる戦略を編み出すには自らの思考を変えてかなきゃってことなんでしょうけど、伊勢丹がすごいと思うのはその思考を実行してるところです。かばんの売り場(伊勢丹の言い方で言えばお買い場)へ行くとわかるんすけど、ブランド別ではなく用途別に分けてます。用途別に並んでるのをみて最初は便利だなー、ぐらいしか考えてなかったのですが、「ある目的があって探しに来てる客がかばん探しで苦労しないように」っていう買う側の立場に立った思考ってのが徹底された結果なのだとおもいます。


つまるところうまくやるには、相手側のことを読むことや思考や視点を変えることがときとして必要なんだってことなんすけど、しかしなかなか相手側のことまで考えるのって難しいことだと思います。
有名な話ですけど「フロントホックのブラジャーの法則」ってのがあって、フロントホックと聞くと男は「胸の前で外すもの」という認識なんすけど女性は「胸の前でつける」ものっていう認識なんすよ。この話きいたとき、やはりご多聞に漏れず「外すもの」って答えたのですけど「つけるもの」ってのはブラジャーを目にしてても正直目からうろこでまったく思いがいたらなかった。そういう強烈な印象の経験があったので、どんなに客観的になろうとしても自分の置かれている立場からは逃れにくいんじゃないかと思いました。こびりつくというか染み付いちゃってるんですよね。立場が違う相手のことなんか推測は出来ても完璧に判ろうっていうのは無理なんじゃないかって思ってたので、伊勢丹のお買い場の話をきいてかばん売り場を思い出して立場を超えて思考できてるのがただただすげー、っておもいました。
ただ本物のプロフェッショナルはそれくらいの思考の転換を平気でするのかもしれません。それがなかなかできない30代は「まだまだ青いな」扱いされても悔しいけど仕方ないのかもしれません。