死んだ父が酒にまつわることで何度も云っていたのが「屋台で生物を食うな」というのと「タダ酒喰らいは貧相が悪くなる」というやつで、とくに後者は妙に印象深くてイケメンでないことを自覚してるのでこれ以上悪くなりたくないのでタダ酒というのはあまりしていません。


社会人になってからも絶えず意識してて(それといちばん最初に影響を受けた先輩が曲がったことが大嫌いだったせいもあって)、仕事でこちらが優位な立場で関与先に頭を下げて貰えることはあってもモノを貰うとかおごって貰うということは避けてきました。前に静岡県下の関与先へ行くようになって現地へ行ってみるとメシをってことを何度か言われても(なんてったって産地だけあっておいしいので)お茶こそ飲みましたがそれを断り続け、何でそんなことを言うのだろうと思ってたら、案の定、前任者やそのまた前任者ががよく食事を向こうもちでしてたらしい。李下に冠を正さず瓜田に履物を入れずって、なかなか組織の中の全員ができるもんじゃないですけど知ってる先輩なのでどこか恥ずかしいなーと思ってたのでその場で頭を下げて詫び、会社に報告はしなかったのですが私の後に気風に違う後任者が今度は条件を付して自分からあからさまに強請ったらしく、それが明るみになってちょっと問題になったりしましたが。


タダ酒を自慢したりする人もいますし、強請ったりする人もいます。で、どこかさもしい、と思えるのです。確かに「いいこと」がコストがかからずに体験できるから魅力的ですが、他人がコストや努力をかけてやってることを労せず手に入れたってことですからどこか正当じゃない。他人の無償の善意をあてにして、○○はこうすれば××してくれるはず、なんて考えるような手合いがたぶん正当か正当でないかの判断ができなくて自慢したり要求できたりするのかもですけど。
正当であるかいなかの判断ができるかどうかは学歴じゃなくって、人間としての素の部分が分かれ目なんじゃないかと防衛庁の事件を見てておもいました。