レディファースト

今の勤務先に就職して、一番最初大阪に放り込まれたのですが、その駆け出しの頃に仕事上の指導を受けた先輩に京都出身の女性がいました。それまで京都出身というと勝手になんだか優しそうなイメイジがあったんですけど、全く違って仕事上に関することは厳しかったです。京女のイメイジは、そのときからガラッと変わりました。でも、仕事には厳しいものの、顔見知りの別の先輩に「よろしく頼むでぇ」みたいな紹介をしてくれるようなそういう先輩だったです。
仕事の上では性別は関係なかったですけど、荷物が重そうなときは率先して持っていました。後輩としてそれくらいあたりまえかなー、と思ってたんですけど。そのときに必ず、たぶん京都のイントネーションで
「ありがとう」
という言葉を貰っていました。



東京に移動となって暫らくして研修でその先輩が東京へやってきたとき、偶然勤務先の最寄り駅であったのです。声を掛けたら案の定一発で名前を覚えててくれてました。
「持ちます」と言って昔取った杵柄、荷物をもつと、
「じゃ、お願い」
と言って小さく微笑むような感じだったのですけど反応が前とは微妙に違ったせいか、そのとき、ああ、この人も女性だったんだよなあ、と至極あたりまえのことを思い出しました。女性を感じたってのは、ほんと些細な、どってことないことなんですけど。


荷物を率先して持つ、と言うことがレディファーストになるかどうかわからないけど、レディファースト、と言う文字を見たときに確かに「女性を男性は守らなきゃいけない」ってのはわかるんですけど、どこかこう、女性に対して、守るとか助けるとかそういった気を自然と起こさせるものがないとなかなか動けないよなあ、と思います。