テストでこういう答案を書いたら絶対赤点必至の春の歌の勝手な解釈

注意:ほんとの正解はみなさん各自ぐぐってください。



問1

[ねがはくは花のもとにて春死なむそのきさらぎの望月の頃]
についての解釈を述べなさい。



答)
願うことならば桜の木のしたで春に死にたいものだ、それもあの二月の満月のころに、ってところでしょうか。本来は釈迦入滅の日に死にたいって歌です。
西行自身はわりと良いところの出で、武士としてよい役職に就くのですが若いときに妻子を置いたまま出家します。で、仏門に入って、同時に歌人として名をはせました。仏門に入ったといっても紀州に有った領地はそのままだったらしいので喰うには困らなかったはず、という説もあるようです。喰うには困らないってのは重要で、喰うこととかが生きてく上で何とかしなければならない問題であるとき、たぶん人間は花鳥風月なんで詠んでる暇はありません。花鳥風月を詠むということは余計なことであったりします。喰うに困らないゆえに余計なものが見えてしまったのでしょう。またべつにそれは見なくてもいいこときかなくてもいいこと体験しなくてもいいことを、みてきいて体験してしまった者の悲しみがあるんじゃないかとおもいます。西行は肯定的にそれを引き受けて生きてきたと想像します。
たぶん生きてく上で、いろんなものを見てしまって、嘆息というか心からの願いとして、この歌を詠んだのかなーと思えてなりません。死というものをどこにおくか、生に対するものとしておくか、生のその先にあるものとしておくか、人によっては答が違うと思いますが、たぶん西行は死を意識しながら後者だったのでしょう。
仏門に入ってもなお多情多恨であったのかな、とおもいます。感情の上下が大きければ大きいほど生きていくのはしんどくて、また同時に面白いもんだと思うのですが。その自分の人生を完結するに当たり、いさぎよく散る、たぶん壮絶な美しさをほんの一時期だけ見せる桜の下で、というのは判らないでもないです。絶対的美しさというのがほんとに存在するかどうかわかりませんけどたぶん息を呑むような美しい景色の中に身をおけば、感情の上下の変動が無く、安らかにでなくとも安定したまんま息を引き取ることが可能のようなきがします。







問2

[花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに]
についての解釈をのべなさい




答)
春の長雨のように我が身をいたずらにこの世に置いてるあいだに、花の色はあせてしまったよ、って歌です。これが春の歌、と記憶しています。ながめせしまに、が、春の長雨だったはず。たんにあてどなく無為にすごしてしまうことは長雨で花の色があせてしまうくらいもったいない、という解釈が妥当なのかもしれませんけど。これいろんな解釈が可能なんじゃないかとおもいます。もの思いをしていた間にというか、世をどう解釈するかによりけりなんですが、世間一般でなく、私はこの場合恋愛とかにおもえます。恋愛は誰もが真剣になれるとおもうんですけども、ああでもなくこうでもなく、気に入ってもらえるのはどうしたらいいだろうとか、時を忘れると思うのです。それこそ花の色と比較したら褪せてしまうくらいに色香は恋は強烈でしょうし。また恋愛中は些細なことで落ち込んで悲しみにくれることもあるでしょうし、本人は兎も角としてそういった外観からみたらおおよそ時間の経過だけが長くて、それらのぐだぐだが合理的でない無駄で無益な時間だと思うのです。恋愛でもの思うときは。そんなことしてたらあっという間に時間が過ぎてしまってたよ、という自嘲の歌かなー、と思ってました。
や、そういうもの思いにふける時間は悪くはないとおもいますが。
最近もうひとつ思うのは、失恋の悲しみの嘆きなのかな、とも思えます。
ほんとに恋してる間は夢中だったけど振られてしまって恋がさめて、実を結ばなかったゆえになんか直後はなすすべも無く、いたずらに恋に没頭してた鮮やかな色つきのその期間が長かったのだけど、恋から醒めたら世界の色が変わっていたし春の長雨によって色あせた花のように醒めてみえるよ、ってかんじなのかなとおもえてならないです。←なんかイタイ子ですねー。




問3
[君がため春の野にいでて若菜つむわが衣手に雪はふりつつ]
についての解釈を述べなさい。





答)
あなたに捧げようと、春の野に出て若菜を摘む私の袖に、雪はしきりと降っているよーってな歌です。この君は天皇だったか皇族だったかのことであって、したがって献上する若菜を崇敬する天皇に対して探してますよー、それだけあなたは偉大で、大事な人なんです、と言う意味じゃないんだってことを、私は3年くらいまえにはじめて知りました。君の解釈の問題ですけども、単にあなたのために、まだ寒さの残る春の野原に出かけて、あなたに食べさすために春の野草を摘みました。摘んでいると、服の袖にしんしんと雪が降りかかってきましたよーしかし寒いけど頑張るヽ(´ー`)ノ 、って歌ですね。言外にだからほめてーな、と強請ってる歌です。
これが恋歌になるのかどうかはわかりません。自分の心遣いを描いた歌をさらっていってしまうところが純情なのかそれとも厚顔なのかわかりませんが。しかし人間って恋愛の最中は純情にも厚顔にもなれるとおもいます。私は恋歌なのかなとおもってます。そうおもいませんか?ちょっとでも気に入ってもらおうと思ってサミットストアによって食材を買い込み美味しいといってもらおうと思って頑張って料理をして好きな人に出すときに似たような心境になるんじゃないかと思います。

そうおもいませんか?