よく、リアルで半径三十センチの範囲しか気をとられないひと、身内しか考えない人っているよね、という話をします。知り合いさえ幸せであれば良い、という考え方かもしれません。ちとそれはやばいと思うので個人的にはそれをしたくないけど、そういう人を見かけても他人には滅多に強制したくないのでよほどのことがない限りとやかく云いません。ただその日はたまたま虫の居所が悪かった。タミフルの影響かずっと吐き気がしてしんどかった、と、まず言い訳をしておきます(以下口調に誇張一部あり)。



地下鉄から乗り換えて帰宅途中に、世間は週末ということもあって、子供連れが多かったのです。で、シルバーシートの傍に立ってて、ふと見るとそれなりの格好の子供連れのお母さんが混んでる車中で子供二人を引き連れて席を寄せるわけでもなく、そばに吸入のチューブをつけてる老人が居ても譲るわけでもないまま優先席に座っている。譲ったらどうですか、とも云えず、黙認してたのですが暫らくして何を考えたかケータイをだして電話をかけようとする。それをみてさすがについカッとなって
「誰も何もいわねーからっていっても限度あるんじゃないの?」と注意する。
ポカンとしてこちらを見て無言で睨みつけてきたので「文句あるんだったら声でして言えや」といっても何も云わない。
どうするかなー、とおもったのとしんどかったので、その目線を無視しだしたら、今度はケータイをいじりだした。降りる間際に
「ええトシして日本語読めんの?子供の前でよく平気やね」
こちらに注目が集まり始めてしまったのと暫らくして反撃のつもりかきれかけて
「誰でもやってるじゃないですか!」
といってきたので
「それは優先席で携帯を使っていいという論拠になんねえとおもいますが?なりますか?」
といったら、さすがに電源を落としたようです。



交通事故みたいなもので、こういったときにどうやってやりすごすというか、自分の精神衛生上好ましい方向へ持っていくことができるか、けっこう考えます。無視していいもんなのかな、とか。答えはわかりません。いちど電車でシルバーシートで携帯を使ってる人の傍に補聴器らしきものをつけてる人が居て、ものによっては補聴器が携帯の電波のせいでハウリングするらしくその現場を目撃して以来なるべくオフにしてますがそういうのを目撃してなかったらたぶん私もシルバーシートに座って携帯をいじくってたほうでしょう。見過ごして自分が悪者になりたくないという一心からの本心からではない、うわべだけの善行なんですが。