予定が空いたので午前中にJAXA相模原の一般公開に行ってました。といっても駆け足だったんすが。JAXAは業務内容が多岐にわたるのですが、個人的に興味があった惑星関連のところを見学してました。

太陽系の小惑星イトカワのサンプルを回収したはやぶさの原寸模型です。
はやぶさ2のお話も訊けて、目的地の小惑星リュウグウ有機物を含む炭素でできていると考えられてることと、リュウグウを含む小惑星には太陽系ができた46億年前の有機物を含む物質がそのまま残ってる可能性が高いことを今回はじめて知ったのですが、仮にはやぶさ2リュウグウからサンプルを回収できて戻ってこれて分析できれば、有機物からできている生物の起源に関する新たな知見がわかる可能性がでてくるわけで、つい聴いててわくわくしちまったんすけど、はやぶさ2、来年にはリュウグウに着くそうです。幸運を祈りたいところなんすが。
MMXっていう火星の衛星を探査する探査機の計画のブースがあって、2020年代前半に打ち上げて(火星及び火星の衛星の起源を探るために)サンプルを持ってくる計画なんすけど、実務的なお話も伺えました。火星の衛星は表面がどうなってるのか予測はできるけど磁性の有無を含めてほんとのところはいってみないとわからない(ので想定をあれこれ考えている)とか、

写真は行く予定の火星の衛星の模型なんすが、地球からコントロールしながら複数回着地を繰り返しサンプルを回収する予定で、サンプル回収でも無難なのは凸凹ではないところでの着地なんすが、クレータ(隕石が落ちた穴)などのある部分に着地させればまた別の興味深いサンプルが得られる可能性があるわけで失敗はしたくないけどしかしやってみるだけの価値があり、鋭意検討中、というようなお話を伺うこともできました。
太陽を観測している「ひので」もJAXAが関連していて(太陽の表面が6000度なのに対し太陽の外縁のプラズマの一種であるコロナが100万度でなぜ外が熱いのか謎だったのですが、コロナの下部に加熱源があることを突き止めてて、さらに磁気嵐を引き起こすフレアの予測の研究などとやってるのですけど)あと3年くらいの研究はできるけどその先は若干不透明であるとか(後継機が欲しいけど予算が…ってな話も伺った)、月の探査機「かぐや」が月に巨大な縦孔があることを発見したのですが、その穴をロボットで探索する計画(その穴が火山によるものであるとするならば月の過去の火山活動や磁場がわかるかもしれないので)があることなど、けっこう興味深く見学しました。

磁場ついでに書くのですけど、この手の話はとても好きなのですが、残念ながら私は文系で地学がカリキュラムになかったのでをやっていません。ですから知識がまだらです。地球には磁場があって(極地でオーロラが見えるのですけど)、でも火星や月に磁場がなく、その理屈としては地球の中にどろどろとした鉄の流動体があるから・火星や月にはそれほどないから、ってのは知識として知っていて、でもなんで無くなったかまでは謎でした。訊くは一時の恥と思ってすごい初歩的な質問なんですがと断ったうえで「火星や月にはなぜ内部の流動体が無くなってしまったのか」と訊いたら、「いやそれがわかればいいのですけども」という答えで、やはりわからないらしかったり。JAXAのみなさん、質問に対してすごく丁寧というか、ちょっと知識がまだらな人間にはそこらへんありがたかったです。
繰り返しになるのですがJAXAの守備範囲はかなり広くて、興味深いものばかりです(「はやぶさ」で利用した省電力技術を応用して定められた上限値の中で電車を運行する、という不思議なものもあります)。駆け足だったので次回来るときはもうちょっと余裕をもって来ようと思いました。