読書

「洋酒天国とその時代」

「洋酒天国とその時代」(小玉武・筑摩書房・2007)という本を古本屋で見つけて今秋、時間があるときにちらっちらっと読んでいました。洋酒天国というのは洋酒の寿屋、今のサントリーが昭和30年代に寿屋のお酒を出していたバーに常連客に渡してもらうために…

「玉、砕ける」と香港情勢

何回も引用しているのですけど開高健さんの「玉、砕ける」という短編小説があります。イギリス植民地時代の戦後の香港で食事しながら友人に 白か黒か。右か左か。有か無か。あれかこれか。どちらか一つを選べ。選ばなければ殺す。しかも沈黙していることはな…

この数か月で読んだ本のこと2もしくはちょっとした後悔

恥ずかしながらなにかをしながら別のことをする、ということが出来ません。電話を受けながらメモをしていたとしても文章では書けず重要なキーワードをメモしてあとで要旨をまとめてますし、えっちなことをしながら頭の中で素数を数えたこともありません。レ…

この数か月で読んだ本のこと1もしくは答えのない問題(再追記あり)

何回か引用しているのですけど開高健さんの「玉、砕ける」という短編小説があります。香港で食事しながら友人に 白か黒か。右か左か。有か無か。あれかこれか。どちらか一つを選べ。選ばなければ殺す。しかも沈黙していることはならぬといわれて、どちらも選…

かのこちゃんとマドレーヌ夫人

徳島で人が通らないような道で迷いかけたとき犬が先導してくれたことがありました。まいったなと悩んでるこちらを一瞥したあとその犬が歩きはじめ、その犬についていかねばならぬような気になってついてゆくと目的地にたどり着きました。なにかエサになるよ…

続・読書の秋(紅旗征戎非吾事について)

中学のときだったか、百人一首のテストがありました。30だか50だかを覚えて、それを書けなければ居残りでできるまでずっとテスト、ということがありました。幸いにして一発でなんとかなりましたが、覚えるのは機械的です。「あいみてののちの心に比ぶれば昔…

人物叢書「大正天皇」(追記あり)

大正時代というのは関東大震災や大正デモクラシーなど受験日本史ではやるのですが、明治天皇に比べて大正天皇の記述というのはあんまり記憶がありませんでした。つい最近に日光の田母沢御用邸へ行き田母沢御用邸が皇太子時代の大正天皇のために作られ、また…

転移

「文学を殺したのはだあれ?私だわ、と大江健三郎はいった」という文章が、私の大学生時代にかかれてます。私はバイト先で写真のセクションにいたのですが隣が図書資料関係でそこにあるものは好き勝手読んでいいよ、という環境だったので、幸か不幸か私はあ…

黒い雨

NHKBSで映画版の「黒い雨」を放送していた(はず)なんすが、検索で来る人のために念のため、書いておきます。映画版は「遥拝隊長」のモチーフを織り交ぜたりしてて、原作とはちょっと異なります。ピカドンに限らず戦争が人に与えた影響ってのを考えるとき、…

赤めだか

はてなのお題が「最近おもしろかった本」ですが、「おもしろい」ってのは難しかったりします。 小学校高学年だったか中学の教科書に「附子」という狂言があって、毒だから近づくな、と言われたんだけどのぞきこんでしまい、気になって舐めてしまうのだけど、…

女のいない男たち・木野

前にも書いたかもしれないのですが、村上春樹さんが質問に答えるスタイルの「村上さんのところ」というサイトがあって、はてなが協力しているせいか問答をたまに閲覧することがあります。その中である問いに答えて、きついことやつらいことを体験した時に、…

叙情と闘争

帰宅時の地下鉄で偶然座れるとついうたた寝しちまうことがあります。不幸にも座れなかったときは吊革にぶら下がりながら、本を読むときもあります。もっとも疲労が重なってるときにはそんな余裕はないです。ただいくぶん現実逃避のケがあるのですが、ここの…

読書感想文『MBO』

MBO―マネジメント・バイアウト (幻冬舎文庫)作者:牛島 信発売日: 2003/10/10メディア: 文庫主人公はデパートの雇われ社長です。取締役会でオーナー側を尊重するオーナー側の役員と、一人の株主のみを見て経営は出来ないとするその社長の対立からはじまります…