読んだもの

隼人発声

いまの上皇陛下が天皇時代にがんの治療のための通院から戻る道中、冬でも窓を全開にして手を振ってるのを目撃して、(死んだ母親ががんであったので多少の知識があって)いまやってるはずなのはホルモン療法だから白血球が減少して風邪をひきやすくなるわけ…

citrus「the way I love」

小学校の教科書に「附子」という狂言があり、毒だから近づくなと言われたんだけどのぞきこんでしまい気になって舐めてしまうのだけど、なぜなめたかということの理由を無理矢理考え出さねばならなくなり、茶碗と掛け軸を割って「(大事なものを壊したので)…

「玉、砕ける」と香港情勢

何回も引用しているのですけど開高健さんの「玉、砕ける」という短編小説があります。イギリス植民地時代の戦後の香港で食事しながら友人に 白か黒か。右か左か。有か無か。あれかこれか。どちらか一つを選べ。選ばなければ殺す。しかも沈黙していることはな…

土井善晴のレシピ100

少し前に書いたことと重複しますが(血圧は問題ないのでたぶん心臓のほうを考慮してるのだと思うのですが)念のために当座一日の塩分摂取量をなるべく6gから10gの間におさまるように、という指示をドクタから受けています。この事態になるまで知らなかったこ…

仮の解にたどり着くまで(及び上野名誉教授の祝辞を読んでの雑感)

雇用機会均等法というのがあります。それを知ったのは90年前半の高校生の頃です。男子校だったのですが現国および古典の先生として女性教諭がいて、雇用機会均等法の施行により就職したというのを現国および古典とは関係ないおそらく公民分野の授業で教えら…

フラワー=デストロイヤー

すこし前に「ここはグリーン・ウッド」のことを書いた記憶があります。連載誌が「花とゆめ」という少女漫画だったせいもありコミックスも花とゆめで、「男らしくありたい」と考えていたので住んでいる街では買わず別の街でこっそり買っていたことも書いてる…

この数か月で読んだ本のこと2もしくはちょっとした後悔

恥ずかしながらなにかをしながら別のことをする、ということが出来ません。電話を受けながらメモをしていたとしても文章では書けず重要なキーワードをメモしてあとで要旨をまとめてますし、えっちなことをしながら頭の中で素数を数えたこともありません。レ…

この数か月で読んだ本のこと1もしくは答えのない問題(再追記あり)

何回か引用しているのですけど開高健さんの「玉、砕ける」という短編小説があります。香港で食事しながら友人に 白か黒か。右か左か。有か無か。あれかこれか。どちらか一つを選べ。選ばなければ殺す。しかも沈黙していることはならぬといわれて、どちらも選…

かのこちゃんとマドレーヌ夫人

徳島で人が通らないような道で迷いかけたとき犬が先導してくれたことがありました。まいったなと悩んでるこちらを一瞥したあとその犬が歩きはじめ、その犬についていかねばならぬような気になってついてゆくと目的地にたどり着きました。なにかエサになるよ…

歳をとるこということもしくは羊羹の話

吾輩は猫であるのなかで苦沙弥先生が甘いものを相当食べてることをうかがわせる会話があります。 「元来ジャムは幾缶舐めたのかい」「今月は八つ入りましたよ」「八つ? そんなに舐めた覚えはない」「あなたばかりじゃありません、子供も舐めます」「いくら…

続・読書の秋(紅旗征戎非吾事について)

中学のときだったか、百人一首のテストがありました。30だか50だかを覚えて、それを書けなければ居残りでできるまでずっとテスト、ということがありました。幸いにして一発でなんとかなりましたが、覚えるのは機械的です。「あいみてののちの心に比ぶれば昔…

読書の秋

私は本を読んでいるかといったらそんなにたくさん読んでいません。ですから童貞が非童貞に持つような劣等感が本をたくさん読むような人に対してあります。劣等感がありますから読書に関してなにか書くときには若干のうしろめたさがあります。でもって村上主…

人物叢書「大正天皇」(追記あり)

大正時代というのは関東大震災や大正デモクラシーなど受験日本史ではやるのですが、明治天皇に比べて大正天皇の記述というのはあんまり記憶がありませんでした。つい最近に日光の田母沢御用邸へ行き田母沢御用邸が皇太子時代の大正天皇のために作られ、また…

毎日かあさん

ずいぶん前のことなのですが忘れることのできないことってのがないわけではありません。 忙しいときにそこまでつっつくのかというくらい細かいところをつっついてプチ否定してくるちょっと年上の人がいてそれに触れるたびにどんよりして、でも限りなく難癖に…

転移

「文学を殺したのはだあれ?私だわ、と大江健三郎はいった」という文章が、私の大学生時代にかかれてます。私はバイト先で写真のセクションにいたのですが隣が図書資料関係でそこにあるものは好き勝手読んでいいよ、という環境だったので、幸か不幸か私はあ…

英国一家、ますます日本を食べる

NHKでアニメを流していて、「英国一家、ますます日本を食べる」はその番組の元ネタとなった本であったりします。著者(マイケル・ブースさん)とその一家が日本(三重県や東京都、沖縄県、静岡県等)を旅して日本の食文化に触れる紀行、という説明がいちばん…

黒い雨

NHKBSで映画版の「黒い雨」を放送していた(はず)なんすが、検索で来る人のために念のため、書いておきます。映画版は「遥拝隊長」のモチーフを織り交ぜたりしてて、原作とはちょっと異なります。ピカドンに限らず戦争が人に与えた影響ってのを考えるとき、…

赤めだか

はてなのお題が「最近おもしろかった本」ですが、「おもしろい」ってのは難しかったりします。 小学校高学年だったか中学の教科書に「附子」という狂言があって、毒だから近づくな、と言われたんだけどのぞきこんでしまい、気になって舐めてしまうのだけど、…

女のいない男たち・木野

前にも書いたかもしれないのですが、村上春樹さんが質問に答えるスタイルの「村上さんのところ」というサイトがあって、はてなが協力しているせいか問答をたまに閲覧することがあります。その中である問いに答えて、きついことやつらいことを体験した時に、…

カチンときた時の対処法

テレビ東京系で、ローカル路線バス乗継の旅というのがあります。誠実で責任感がある太川陽介さんと粘り腰でマイペースな蛭子能収さんが女性ゲストを迎えて3泊4日で路線バスを乗り継いでゴールまで行けるかという趣旨で、不定期で毎年3回くらい放送されます。…

叙情と闘争

帰宅時の地下鉄で偶然座れるとついうたた寝しちまうことがあります。不幸にも座れなかったときは吊革にぶら下がりながら、本を読むときもあります。もっとも疲労が重なってるときにはそんな余裕はないです。ただいくぶん現実逃避のケがあるのですが、ここの…

辻井喬さんのこと

「けものみちは暗い」という短編集がありました。私が高校生くらいのときには文庫になってた本です。安珍の物語を題材にした僧の話「燃え尽きた蛇」や極楽を追えば追うほど遠のいてしまう「高麗雉子になった男」など、人のなかに獣を見るような、刺さるよう…

そのまんま日記

違う目的で読んでた本で、腑に落ちる言葉を見つけると、言葉を見つけたはずなのに更なる説明の言葉を失います。 なもんですから、そのまま引用します。 時間的・空間的な移動(旅)は、人になんとも言えないエネルギーとドラマをくれる。 見知らぬ空間を観る…

「花のもとにて」堀田あけみ

花のもとにて (角川文庫)作者: 堀田あけみ出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2000/01メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (5件) を見る大学生のころ、めずらしく衝動買いした本です。かっこよく優しい大学院生の先輩に憧れて大学院に進学した…

石原慎太郎著「国家なる幻影」

国家なる幻影―わが政治への反回想作者: 石原慎太郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1999/01メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (10件) を見る石原慎太郎という政治家の思想信条は別にして作家としてのシニカルな視線が気にはなっていて、…

読書感想文『MBO』

MBO―マネジメント・バイアウト (幻冬舎文庫)作者:牛島 信発売日: 2003/10/10メディア: 文庫主人公はデパートの雇われ社長です。取締役会でオーナー側を尊重するオーナー側の役員と、一人の株主のみを見て経営は出来ないとするその社長の対立からはじまります…

読書バトン

鏡花水月/若桜みきさんのところから許可を得て貰ったバトンです。 【1. いつ頃から本が好きになりましたか?】 中学生になってから。小学生のころはあまり読まなかったです。【2. 家族に本好きな人はいますか?】 いません。けど、実家には戦前の谷崎訳の…

『カリスマ』

カリスマ作者: 佐野眞一出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 1998/07/07メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (12件) を見る ダイエーを知らない日本人はいないと思います。今でこそ産業再生機構を経て丸紅主導で再建途上の会社ですが、かつて…

読書感想文「ホンダ神話」

ホンダ神話―教祖のなき後で (文春文庫)作者: 佐藤正明出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2000/03/10メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (7件) を見る天才技術者・本田宗一郎の名前は自動車に詳しくなくとも誰だって知ってると思います。本田…